the angel


序章




 神様なんていない。 

 私はそう思っている。 

 ずっと、もうずっとそう思っている。 

 神様なんていない。 

 誰も助けてくれないでしょう? 

 どんなに祈っても。 

 どんなに願っても。 

 神様が一度でも助けてくれた? 

 本当に、本当に心の底から祈り、願った時。 

 それに答えてくれた? 

 答えはいつだって“NO”。 

 大切なモノは、必ず奪われていく。 

 そう。あの時もそうだった。 

 赤い夕日が眩しいくらいで。 

 大きな手は温かくて。

 『空には神様がいるんだよ。』 

 そう言う声は優しくて。 

 私は、大好きで大好きで。 

 でも最後は呆気ないほど儚くて。 

 赤くて赤くて。 

 生ぬるくて。 

 生臭くて。 

 気持ち悪くて。 

 見てられなくて。 

 大切なモノを、奪われた。 

 そして、私は神様を疑った。 

 その存在を。 

 声は届かない。 

 思いは届かない。 

 なぜ? 

 辿り着いた答えは一つ。 

 神様なんていない。 

 私は、神様なんて信じない。 

 だから。  

「あんたの存在も等しく認められないのよ!!さっさと出てけ、この色ボケ野郎!!」





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